57歳・元会社員の実例。会社員の経験を法人向けサービスに。AIで商品設計・集客の準備。人物はイメージです

「会社員として経験は積んできた。でも、独立して企業に何を提供できるのか、うまく説明できない」

50代・60代から仕事をつくるとき、職歴を並べるだけでは、相手が依頼する理由まで伝わりにくいものです。必要なのは、自分の経験を「誰の、どの業務を、どこまで支援するか」に置き換えることです。

この記事では、57歳で新しい仕事づくりに取り組んだ松尾さんの事例を参考に、会社員時代の経験を企業向けのサービスにする方法をご紹介します。さらに、ご自身の商品を説明する資料や集客用の記事を、AIと一緒に作る手順もお伝えします。

57歳・松尾さんの事例から考える、経験の届け方

松尾さんは、長年、広告関連の会社でマーケティングやシステムに携わってきました。しかし、松尾さんは急に会社を辞めることになりました。前職との契約上、以前と同じ業務はできなかったため、それまでに培った知識やスキルを生かして、新しい仕事を考える必要がありました。

松尾さんは11月初めにZoom集客の学校で学び始め、翌12月には法人2社と合計1,620万円の契約を結びました。

松尾さんが最初に考えた商品は、オンライン物販の売上を伸ばす支援でした。しかし、松尾さんが経営者の話を詳しく聞くと、社内の組織がうまく動いていないことや、社員がITを十分に使いこなせていないことも分かりました。

そこで松尾さんは、経営者が困っていることの中から、ご自身の経験で対応できるものを選び、支援内容を組み直しました。

松尾さんは、会社員時代に身につけた知識や経験を使って、経営者が困っていることを解決するサービスを考えました。この考え方は、ご自身の商品づくりにも参考になります。

ここからは、読者の皆さんがご自身の商品を考えるための手順をご紹介します。例として「会社で担当した業務の引き継ぎ」を取り上げ、サービスの内容、商品説明、相談への案内を順番に考えていきましょう。

▶ 松尾さんが語る、57歳からの仕事づくり

会社員時代の経験から、企業に提供できる仕事を選ぶ

会社員時代の経験をカードとノートに整理する男性のイメージ。AI生成画像

まず、ご自身が担当した仕事を一つ選んでください。その仕事について「何に困っていたか」「自分は何をしたか」「そのとき作った資料や手順は何か」を書き出します。

例えば、担当者が休むと仕事が止まっていたため、ご自身が引き継ぎ用の手順書を作った経験があれば、それが商品を考える材料になります。

次の表は、経験を法人向けサービスの候補に変える例です。ご自身が経験した範囲に置き換えて使ってください。

経験した仕事企業の困りごとの仮説提供する支援の候補
新人への業務説明教える担当者によって内容が違う既存の説明内容を整理し、研修チェック表を作る
総務での引き継ぎ改善担当者が休むと作業が止まる一つの業務の手順書と引き継ぎ一覧を整える
営業資料の見直しサービスの違いを説明しにくい既存資料を点検し、比較表と説明の順番をまとめる
社内システムの利用支援導入したツールが現場で使われない利用場面を確認し、操作手順と質問集を整える

いずれも、最初から「会社全体を変える」と約束する必要はありません。自分で担当できる業務を一つ選び、相手が確認できる成果物を決めると、サービスの輪郭が見えてきます。

AIには、ご自身が書き出した経験を渡し、上の表のように整理してもらいます。ただし、AIが挙げる「企業の困りごと」は予想です。実際にその問題があるかどうかは、ご自身が企業の担当者に聞いて確かめてください。

何を、どこまで提供するかを1枚にまとめる

次に、ご自身が提供するサービスの内容を、次の項目に沿って1枚にまとめます。「業務改善を手伝います」という説明だけでは、企業の担当者は何を頼めるのか判断できません。誰に、何を、どこまで提供するかを具体的に書きましょう。

法人向けサービスの設計シート

  • 対象:どのような会社の、誰に使ってもらうか。
  • 対象業務:今回、どの作業や問題を扱うか。
  • 提供するもの:面談や研修、手順書の作成など、どのような支援を行うか。
  • 対応範囲:自分が担当することと、今回含めないこと。
  • 企業側の協力:資料の用意、担当者への確認など、何をお願いするか。
  • 期間・費用:実施回数、納期、料金と追加対応の扱い。
  • 完了の確認:何を確認できれば、今回の支援を終えられるか。

例えば、ご自身が引き継ぎを支援する場合は、次のように説明できます。

「私が担当者に仕事の流れを聞き、一つの業務の手順書を作ります。企業の担当者に内容を確認していただき、修正した手順書をお渡しします」

このように、ご自身がすることと、企業側にお願いすることを分けます。期間や料金は、手順書にまとめる業務の量と、ご自身が作業に使う時間を考えて決めてください。

ご自身が約束する内容は、「手順書を作る」「担当者に使い方を説明する」など、実際に提供できることにします。企業の担当者も、支援の内容が分かれば、自社に必要かどうかを判断しやすくなります。

AIへの指示文:サービス設計の下書き

以下の経験メモから、法人向けサービスの設計シートを1案作ってください。

私が実際に担当した仕事:【経験】
相手から確認できた困りごと:【事実】
私が提供できる支援:【対応範囲】
使える時間と実施方法:【条件】

対象、対象業務、提供するもの、対応範囲、企業側の協力、期間・費用、完了の確認に分けて整理してください。決まっていない項目は「要確認」とし、金額・成果・資格を補わないでください。事実と仮説を分け、提案前に相手へ確認する質問を3つ挙げてください。

会社名、個人名、機密情報を除いて入力します。出てきた案を読んで、「実際にこの支援を提供できるか」「相手の希望を読み違えていないか」を自分で確認してください。

企業の疑問に答える記事を、AIと一緒に作る

企業の担当者と支援内容を確認する相談場面のイメージ。AI生成画像

サービスの内容が決まったら、次は、そのサービスを必要としている企業に知ってもらう準備をします。その方法の一つが、企業の困りごとに答えるブログ記事です。

例えば、引き継ぎを支援するサービスなら、ご自身が「担当者が休んでも仕事が止まらないための準備」を記事にします。読者が自社で確認できる点を紹介したうえで、ご自身が手伝えることと相談先を案内しましょう。

ご自身が記事を書くときは、先ほど作ったサービスの設計シートを使います。AIにシートと経験のメモを渡し、「引き継ぎに困っている企業の担当者に向けて、記事の下書きを作ってください」と頼んでみましょう。

AIが作った下書きは、ご自身で確認します。経験していないことが書かれていないか、読者が試せる方法になっているかを確かめてから公開してください。企業から実際に質問が届いたら、その回答を記事に追加していきます。

録画から複数の発信素材をつくる方法は、じゅんじゅんさんの実践事例で紹介しています。まずは自分のサービスに必要な説明をそろえるところから取り組んでください。

記事を読んだ方が、相談できるようにする

記事を読んだ担当者が関心を持っても、相談先や相談の内容が分からなければ、その先に進みにくくなります。最初は、一つの記事から一つの相談窓口へつながる流れを整えましょう。

  1. 記事で課題を知ってもらう:ご自身が、企業の担当者に役立つ情報をブログで発信する。
  2. チェック表を用意する:ご自身が確認項目をまとめ、企業の担当者に自社の状況を整理してもらう。
  3. 相談を受け付ける:企業の担当者が、対象業務、困っている場面、希望時期を送れるフォームなどを用意する。
  4. 対応できるか確認する:ご自身が届いた内容を読み、相談で詳しく聞くことを決める。
  5. 相談後に提案する:ご自身が支援案をまとめ、企業の担当者と支援範囲、役割、費用、期間を確認する。

企業向けのサービスでは、相談に来る担当者と、発注を決める責任者が違う場合もあります。ご自身が相談を受けるときに、「社内ではどなたが確認されますか」「いつごろまでに決めたいですか」と聞いておきましょう。その答えに合わせて、企業が社内で検討するための説明資料を用意します。

メールやLINEで継続して案内する場合も、まずはこの流れに必要な連絡を決めます。受付完了や予約の案内などは、対応する配信・予約ツールを使えば自動化の候補になります。個別の相談内容や支援の適否は、自分で確認します。

相談後のメモ整理や提案書づくりにもAIを使う

ご自身が企業の担当者と相談した後は、相談メモとサービスの設計シートを使って、提案書を作ります。AIには、メモの整理や提案書の下書きを頼めます。

作業AIに整理してもらうこと自分が確認すること
相談内容の整理相談メモから目標・課題・不足情報を整理相手の発言と解釈が混ざっていないか
提案の下書き設計シートと照合して、支援案をまとめる対応範囲、費用、納期を約束できるか
説明資料の更新実際に聞かれた質問から「よくある質問と回答」の案を作る個別事情や機密が残っていないか

AIエージェントを使うと、メモの整理から提案書の下書きまで、複数の作業を続けて進められる場合があります。使える機能はツールや設定によって異なりますが、最初は下書きの作成までを頼むと取り組みやすくなります。

企業に提案書を送る前に、ご自身で支援内容、費用、納期を確認してください。AIの下書きに、引き受けていない作業や約束が加わっていたら修正します。

AIには、ご自身ができることと、企業から聞いたことを具体的に伝えましょう。企業との相談でサービスの内容が変わったら、ご自身で設計シートも書き直します。次にAIへ依頼するときは、その新しいシートを使ってください。

今日、一つのサービス案を形にしてみる

まずは、ご自身が会社員時代に改善した仕事を一つ書き出してみてください。その経験を使って、どのような企業に、何を提供できるかを考え、設計シートにまとめます。決められない項目は空欄のままで構いません。

次に、そのサービスが役立ちそうな相手に話を聞かせてもらいましょう。ご自身の説明で伝わりにくかった点や、相手から求められた支援を書き留めます。その内容をもとに、サービスの説明を直していけば、一人で考えるだけでは気づかなかったことも具体的になります。

松尾さんの事例は、会社員時代の経験をそのまま売るのではなく、相手の課題に合わせて組み直すヒントになります。ご自身の経験を、企業が検討できる一つの支援にまとめるところから始めましょう。

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※掲載した契約実績は松尾さんの個別事例であり、同様の成果を保証するものではありません。成果には個人差があります。本文の設計シート・商品例・AI活用は読者向けの応用提案です。