ノートの書き方が仕事に。売れない体験会を変えた質問。読者向け:AIで講座づくり3ステップ。人物はイメージです。

「自分の経験を活かして、何か仕事を始めたい」

そう思っても、「人にお金を払ってもらえるほどの得意なことなんて……」と、立ち止まってしまうことはありませんか。

今回ご紹介する山口智子さん(仮名)が仕事にしたのは、ノートの書き方を教えることでした。

会社員として働きながら、学びと実践を重ねて起業へ。始めたときには、パソコンさえ持っていなかったそうです。

でも、得意なノート術が、最初から売れたわけではありません。

体験会を開いても、申込みにつながらない。山口さんの転機は、お客様が普段、何に困っているのかを聞くようになったことでした。聞いた困りごとをもとに、体験会を見直していったのです。

この記事では、その転機をたどりながら、あなたの得意なことを講座にするためのAI活用も紹介します。

得意なノート術がある。でも、仕事にする方法がわからない

セミナーを聞きながら、忘れないように一生懸命メモを取る。

ところが、あとから読み返すと、「何が大事だったのだろう」とわからなくなる。仕事で使おうとして、もう一度まとめ直す。

そんな経験はないでしょうか。

山口さんが得意としていたのは、話をそのまま書き写すのではなく、短い言葉とイラストに置き換えて、その場で内容をまとめることでした。

自分の言葉やイメージで整理するため、あとから見返したときに、学んだ内容を思い出しやすい。人への説明や報告書づくりにも役立つ。

そんなノートの書き方を、自分で工夫してきたのです。

オンライン化が進むなかで、山口さんは「この得意なことを教えて、起業できないだろうか」と考えました。

ただ、何から始めればよいのかわからない。

そこでAI自動集客の学校で学び、仕事の合間やお昼休みも使いながら、実践を始めました。

一生懸命説明したのに、「自分でやってみます」で終わってしまう

体験会を開いても、最初の成約にはつながりませんでした。

ノートの書き方については、本や動画にも情報があります。方法を説明すると、参加者は「絵や短い言葉でまとめればよいのだ」と理解する。

でも、その先の申込みには進まない。

役立つ方法だからこそ、教える側は熱心に説明します。それでも、「なるほど」と理解してもらうことと、「自分には学ぶ必要がある」と感じてもらうことは違いました。

相談した山口さんが受けたのは、自分が売りたいという気持ちが先に立っていないか、という指摘でした。

ショックだったそうです。それでも、そこで立ち止まりました。

お客様の話を、十分に聞けていただろうか。
本当に、相手の困りごとを解決する体験会になっていただろうか。

「どう説明すれば売れるか」から、「相手は何に困っているのか」へ。

ここが、山口さんの転機でした。自分の得意なノート術をどう伝えるかに加えて、参加者が仕事や暮らしのどこで困っているのかを、具体的に確かめるようになったのです。

転機は、お客様の「困りごと」を聞くことだった

説明する前に、困りごとを聞く。ノートの悩みから学ぶ理由へ。人物はイメージです。

山口さんは、参加者が普段どのようにノートを使っているかを聞くようになりました。

  • 毎日、どのくらいノートを書いているのか。
  • 会議のメモを、あとからまとめ直しているのか。
  • 必要な情報を探すのに、時間がかかっていないか。

こうして聞いていくと、「ノートをうまく書きたい」という希望の中身が見えてきます。

困っているのは、字や絵の上手さだけではないのかもしれません。

必要な情報が見つからない。
メモを読み返しても、話の内容を思い出せない。
まとめ直す作業に時間がかかる。

山口さんは、そうした作業に使う時間が積み重なると、どれくらいになるかを、参加者自身に計算してもらいました。

ここで、読者の皆さんも身近な例で考えてみてください。

仮に、メモを探したり、まとめ直したりする時間が1日15分。月20日あれば、合計5時間です。

もちろん、ノートの書き方を変えれば、その時間がすべてなくなるという意味ではありません。

ただ、数字にしてみると、「自分は何に時間を使っているのか」「どの作業を改善したいのか」が具体的になります。

方法を知るだけでなく、自分が学ぶ理由に気づく。

この事例で大切なのは、お客様の困りごとを聞き、体験会の見直しにつなげたことです。

「ノートをうまく書きたい」の奥には、探す時間や、まとめ直す負担があります。そこまで聞くことで、教える側は何を支援すればよいかを考えやすくなり、参加者も自分が学びたい理由を確かめられます。

困りごとを聞いたうえで、実際に手を動かし、迷うところを一緒に整理する。そのための「体験」と「対話」も大切にしていきました。

「知った」で終わらず、一緒にやってみる。体験と対話が初成約へ

一緒にやるから気づける。わかったからできたへ。人物はイメージです。

山口さんが大切にした、もう一つの要素が「体験」と「対話」でした。

体験会は、おおむね5人以下の少人数。一方的に説明するだけでなく、参加者にも話してもらい、一緒に進めていきます。

方法を聞いてわかったつもりでも、自分でやってみると迷うことがあります。

たとえば、短い話をノートにまとめる場面を想像してみてください。

「大事な言葉だけ残しましょう」と言われても、どの言葉を選べばよいのか迷う。イラストで表そうとして、手が止まる。

これは理解を助けるための例ですが、実際に取り組むと、説明を聞くだけではわからなかった疑問が出てきます。

その疑問を話し、一緒に整理することで、自分ができることと、支援が必要なところを確かめられます。

山口さんの体験会でも、参加者からは、90分で予想以上に学べたという感想や、一人で実践する難しさに気づいたという声があったそうです。

こうした見直しを重ね、その先で、最初の成約につながりました。

あなたの得意なことも、「誰の、どんな困りごとに役立つか」から考える

この事例は、ノート術を教えたい人だけの話ではありません。

資料づくり、片づけ、料理、後輩への説明。日々の仕事や暮らしで身につけてきたことにも、誰かを助けられるものがあるかもしれません。

ただ、「自分が何を教えられるか」だけを考えていると、内容を詰め込みすぎてしまうことがあります。

そこで、次の3つを一文ずつ書いてみてください。

  1. 誰が、どんな場面で困っているか。
  2. その人は、何ができるようになるとうれしいか。
  3. 困りごとの一部分を、一緒に試すなら何ができるか。

たとえば、資料づくりなら、「見やすい資料のつくり方を教える」から、もう一歩具体的にします。

「会議資料の内容を絞れず、毎回作業が長引く人と、最初の1ページを一緒に整理する」

ここまで考えると、誰に向けた、何を体験する講座なのかが見えてきます。

書けないところは、想像で埋めずに、実際に困っている人に聞いてみましょう。

AI活用① お客様から聞いた「困った」を整理する

読者向けの活用例。AIと講座をつくる3ステップ:悩みを整理、体験を設計、案内文を作成。人物はイメージです。

相手の話を聞いても、「これをどう講座にすればよいのだろう」と迷うことはあります。

そんなとき、整理や案づくりを手伝ってもらえるのがAIです。

たとえば、ノートについて、次のような悩みを聞いたとします。

「会議のメモを見返しても、内容を思い出せない」
「必要な情報を探すのに時間がかかる」
「メモを書き直す作業が負担になっている」

以下は使い方を説明するための仮の例です。ChatGPTなどの対話型AIに、次のように入力できます。

ノート術の体験会を考えています。
以下の悩みを「困っている場面」「改善したいこと」に分けて整理してください。

書かれていないことは推測で補わず、追加で確認したい質問を3つ挙げてください。

・会議のメモを見返しても、内容を思い出せない
・必要な情報を探すのに時間がかかる
・メモの書き直しが負担になっている

整理された内容を見ながら、実際に聞いた話と合っているかを確かめます。

入力する際は、名前や勤務先、会議の機密情報などを除いてください。

AIが考えた悩みをお客様の本音として扱わず、実際に聞いた声をもとにする。
この順番が大切です。

AI活用② 説明だけで終わらない「小さな体験」を考える

悩みが整理できたら、参加者が手を動かせる内容を考えます。

AIには、続けて次のように依頼してみましょう。

この悩みに合う、15分程度のノート術の体験ワークを3案考えてください。

それぞれ、以下を示してください。
・取り組むこと
・必要な準備
・進め方
・終わったあとに本人が確かめること

初心者でも取り組める範囲にし、効果は保証しないでください。

たとえば、「短い話を聞き、決まったことと次にすることを分けて書く」といったワークが候補になります。

そのあとに、

「どこで迷いましたか?」
「あとから見返したときに、次の行動がわかりますか?」

と対話する時間を設ければ、体験を振り返ることができます。

AIが出した案は、そのまま採用する必要はありません。自分が教えられる内容か、時間内に無理なく取り組めるかを確認し、実際に試して調整しましょう。

AI活用③ 「何を体験できるか」が伝わる案内文をつくる

体験会の内容が決まったら、告知文の下書きにもAIを使えます。

次の体験会の案内文を、200字程度で作成してください。

対象:会議のメモをあとから整理するのに困っている人
内容:短い話を聞き、決まったことと次にすることを分けてノートに書く

対象者の悩みと、当日取り組む内容を具体的に伝えてください。実績・参加者の感想・効果の数字は作らないでください。
日時や料金など、不明な情報は補わないでください。

「便利なノート術を教えます」という説明だけでなく、誰が、何に取り組める時間なのかを伝える。

その視点で、できあがった文章を見直します。

自分が実際に提供できる内容になっているか。誤解を招く表現はないか。必要な開催情報がそろっているか。

最後は、自分の言葉で整えてから使いましょう。

AIとオンラインで、あなたの経験を仕事の形にしていこう

山口さんには、最初から得意なノート術がありました。

それでも、すぐには売れませんでした。転機になったのは、お客様の「困りごと」を聞くこと。そこから、体験と対話を重視する形へ体験会を見直し、初成約につながりました。

AIを使って講座をつくるときも、出発点は同じです。まず、相手が実際に困っている場面を聞く。その声をもとに、AIと内容や案内文を整えていきましょう。

あなたも、自分の経験を仕事にしようとするとき、すべてを一人でまとめようとしなくて大丈夫です。

相手の話を聞く。
AIと一緒に整理する。
小さな体験をつくる。
必要な人に伝わる案内文にする。

AIに下書きや案づくりを手伝ってもらいながら、人と向き合う時間を大切にしていきましょう。

あなたが当たり前にやってきたことが、誰かの困りごとを解決する一歩になるかもしれません。

まずは一人に、「普段、それで困るのはどんなときですか?」と聞くところから始めてみませんか。